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【刷毛-1】漆刷毛の生産・供給状況(九世泉清吉)


1.漆刷毛の製作者

 漆刷毛を製作する漆刷毛師の数は減少を続け、現在は2名のみである。1人は、9世泉清吉氏であり、漆刷毛の製作を専業としている。もう1人の漆刷毛師の詳細は不明であるが、東京で兼業として漆刷毛の製作を行っている。35年前には、関西、新潟、東京等に6名の漆刷毛師がいたが、高齢化、廃業等により減少した。


九世泉清吉

 

2.漆刷毛の需給状況

 漆刷毛は、バブル期の頃と比較して需要は半分程度に減少し、現在の生産量は年間1,000本以内と推測している(泉清吉氏の場合、年間500本程度)。需要先は、広重刷毛店の場合、全体の8割が産地向けで、残りの2割が漆器教室用、手作りの釣り竿、将棋等向けである。

 現在は、産地が要望する漆刷毛をほぼ供給できる状況にあり、供給不足の状況にはないが、かもじを使用した最高級の漆刷毛は、かもじの入手が不可能になったことから、手持ちのかもじが無くなった時点で製作が行われなくなる見込み(34年後)。

 

3.漆刷毛の生産・供給システム

 刷毛に使用される毛髪に関しては、今から156年前頃までは、かもじの収集システムがあったが、需要の減退によって収集システムは完全に崩壊した。今は原料商から中国産人毛を輸入して使用している。

漆刷毛師によって製作された漆刷毛の供給に関しては、以前は、お抱えの問屋(漆問屋)を通して産地の塗り師へ供給されていたが、現在は、問屋の減少(現在はごく少数)等により、漆刷毛師と産地との直接取引が増えている。問屋との取引は50%程度に減少している。

問屋の業態も代わり、最近は洋塗料を扱う問屋がほとんどであり、貸しビル業を営んでいるケースも多い。また、ネット販売が普及し、産地からネットを通して注文が来るようになっている。


図表4-18 漆刷毛の生産・供給システム

漆刷毛の生産・供給システム

 

4.漆刷毛の生産・供給における問題点

 問屋が在庫をもたなくなっている。今から7年前頃(平成12年頃)より、問屋が在庫を持たないようになり、まとめて注文するようなことが無くなった(以前は、5本、10本というまとめ買いであったが、現在は1本単位の注文がほとんどである)。そのため、製作者側が在庫を持たざるを得ない状況になっており、経営上の負担が大きくなっている。

 

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