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【漆-4】鎌倉彫における生産基盤の調達(鎌倉彫事業協同組合)

 

1.漆の年間使用量

◇漆の年間使用量は600kg前後

 鎌倉彫における漆の使用量は、塗り師1人当たり89kg程度である。鎌倉彫には職人を含めると塗り師が70名ほどいるため、産地全体の年間使用量は560kg630kgとなる。これらは、中国産の漆であるが、5年前から、国産漆(岩手県浄法寺の漆)の使用を開始した。購入量は2貫目(7.5kg)である。

 

2.漆の調達について

◇主に東京、福井の漆屋から調達

 漆は、組合員(塗り師)それぞれが、東京の漆屋(漆問屋)、営業にくる福井の漆屋などから個別に購入しており、組合は関与していない。取引している漆屋は、簑輪漆行(福井県)、藤井漆工芸(東京都)、播与漆行(東京都)、渡邉商店(東京都)等である。箕輪漆行は、鎌倉で営業活動を行っている。

◇国産漆の使用を開始

 組合としては、国産漆が少しあまり始めているという情報を得て、5年前から岩手県浄法寺から直接、国産漆を購入した。日本産の漆は、中国産と比較して5倍以上の価格であるが、作業性が良いため使う職人が増えており、今後は国産漆の使用が増える可能性があるという。その他、個人レベルでは、茨城県大子町の漆も使用されている。

◇産地としては、漆の調達に関して特に問題は発生していない。

 国産漆に関しては、これまで調達が困難であったが、最近は状況が少し好転している。

 

図表4-14 鎌倉彫における漆の取引関係

鎌倉彫における漆の取引関係

 

3.刷毛の調達について

◇年間調達量は1人当たり1本以下

 漆刷毛は、漆問屋から購入し、広重刷毛店、竹内光輝商店(大阪府)等の刷毛が使用されている。塗り師は、1人で30本程度の刷毛を保有しており、消耗したら刷毛を買い足していく。1人当たりの買い足し需要は1本以下/年間と推測される。産地全体としては、年間数十本程度(あるいはそれ以下)の調達量と推測される。

 

4.産地における課題

◇新規需要の開拓

 鎌倉彫では従来、冠婚葬祭需要や法人需要の占める割合が大きかったが、現在はその需要がほとんど無くなり、需要が減少し、2年前頃より低迷状態が継続している。産地では、これまで、一般消費者向けの市場開拓をほとんど行ってこなかったため、需要を伸ばすためには若い人を対象とする市場開拓が課題となろう。

◇「鎌倉彫」ブランドへの取り組み

 最近、安い鎌倉彫の偽物が出回っており、本物よりも多く流通している。このような状況から、組合では地域ブランドづくりに取り組み、現在、地域団体商標「鎌倉彫」の登録を申請中である。

 

5.その他

◇刃物について

・鎌倉彫伝産組合には現在、4人の彫り専門士がおり、それぞれの専門士が気に入った彫刻刀を使用している。鎌倉彫と取引のある刃物メーカーとしては、光雲(東京都)、宗意(もとい)刃物店(東京都)、左小信等の例がある。彫り専門士は、良い刃物探しを絶えず行っており、見つかれば刃物屋に出かけることも多い。

・刃物は、注文してから出来上がるまでに1月~1月半かかる。

・刃物の場合、刃物に合った砥石を選ぶことが非常に重要であり、調達上は刃物より砥石の方が問題を抱えている。

・彫刻刀は、いろいろな種類の刃物を一緒に使いこなしていけば、20年~30年の寿命がある。

◇桂について

 鎌倉彫では、北海道に豊富にある桂を使用している。昔は樹齢200年といった桂が使用されていたが、現在は80年の桂を切って使用しているため、品質が低下している。

木材は、鎌倉の三和木工、大石製作所、秦野の夢屋等の木地屋から購入している。

 

(鎌倉彫事業協同組合へのヒアリング調査より)

 

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