平成19年度トップページ > 3.産地における調達・取引・情報収集の状況

3.産地における調達・取引・情報収集の状況

 

3-1.陶土

 

(1)産地における調達の状況

・産地全体としては、供給量に関して深刻な問題となっている産地はない。組合へのアンケート調査では「供給量が減少している」と回答した産地が6産地あったが、現在必要量が確保できない状況にあるわけではない。これらの産地は、産地の規模が小さく原土調達体制が不安定、法律上の規制がある、今後の新たな鉱山確保に関して不安を抱いている産地などである。例えば、小代焼(熊本県)、大谷焼(徳島県)などのように窯元が非常に少ない産地では、個々の窯元が地元等から原土を調達し陶土づくりを行っており、安定的な調達体制という点で多少不安を抱えている。また、信楽焼(滋賀県)では、新しい鉱山の確保に取り組んでいるが、最近は法律等による規制が厳しくなっている。薩摩焼(鹿児島県)では、一部の原土は自由には採掘できない国立公園内にある。

・供給量以外の問題としては、原土のコスト上昇が大堀相馬焼(福島県)、四日市萬古焼(三重県)、備前焼(岡山県)において、また原土の品質悪化が京焼・清水焼において問題となっている。

 

図表3-1 産地における陶土の供給状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

充分な供給量がある

22

75.9

供給量が減少している

6

20.7

その他

1

3.4

サンプル数(%ベース)

29

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)産地の調達における取引関係

・多くの産地では、窯元が地元の製土業者等から直接陶土を調達している。また、組合が地元業者から陶土を調達して窯元に供給、または地元や他地域から原料を調達し組合自ら陶土を製造し窯元に供給するといったケースもある。

 

図表3-2 陶土の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元原料業者と取引して原料を調達

12

41.4

組合員が地元製土業者と取引し陶土を調達

13

44.8

組合員が他地域の原料業者と取引して原料を調達

5

17.2

組合員が他地域の製土業者と取引して陶土を調達

8

27.6

組合が原料業者と取引して原料を調達し陶土を製造販売

7

24.1

組合が製土業者と取引して陶土を調達

2

6.9

その他

6

20.7

サンプル数(%ベース)

29

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-3 陶磁器産地における資源の状況

産地

使用する主原料

調達状況
(注1)

他の問題

大堀相馬焼(福島県)

大堀粘土、鹿島粘土

コスト上昇

会津本郷焼(福島県)

大久保土、砂利土、胃土、的場粘土

 

笠間焼(茨城県)

笠間粘土、蛙目粘土

 

益子焼(栃木県)

新福寺粘土、北郷谷粘土、木節粘土

 

赤津焼(愛知県)

本山木節粘土、赤津蛙目粘土、赤津山土

 

瀬戸染付焼(愛知県)

猿投長石、本山木節粘土、本山蛙目粘土

 

常滑焼(愛知県)

富貴粘土、板山粘土、河和粘土、頁岩粘土

 

 

美濃焼(岐阜県)

もぐさ土、木節粘土、蛙目粘土、藻珪

 

四日市萬古焼(三重県)

知多黄土、垂坂黄土、垂坂青土、村上粘土、木節粘土、滝川陶石、河合陶石

コスト上昇

伊賀焼(三重県)

青岳蛙目粘土、島ヶ原蛙目粘土、丸柱粘土

 

九谷焼(石川県)

花坂陶石、大日陶石

 

越前焼(福井県)

青ねば、赤べと、太古土

 

信楽焼(滋賀県)

実土粘土」、信楽産蛙目粘土、木節粘土

新しい鉱山の確保に制約

京焼・清水焼(京都府)

柿谷陶石、天草陶石、蛙目粘土、長石、木節粘土、カオリン等

品質が悪化

丹波立杭焼(兵庫県)

四辻粘土、弁天黒土

 

出石焼(兵庫県)

柿谷陶石

 

石見焼(島根県)

宇野白粘土、宇野赤粘土

 

備前焼(岡山県)

ヒヨセ粘土、長船黒土

コスト上昇

萩焼(山口県)

大道土、金峯山土、見島土

 

大谷焼(徳島県)

萩原粘土、讃岐粘土、姫田粘土

個々の窯元がネットワークを使って調達

砥部焼(愛媛県)

砥部陶石、高野川陶石

 

小石原焼(福岡県)

小石原陶土

 

上野焼(福岡県)

上野陶土

 

伊万里・有田焼(佐賀県)

天草陶石、泉山陶石

 

唐津焼(佐賀県)

松浦川水系粘土、有田川水系粘土、塩田川・六角川上流水域粘土

 

三川内焼(長崎県)

天草陶石

 

波佐見焼(長崎県)

天草陶石、三股陶石

 

小代焼(熊本県)

小代粘土

それぞれの窯元が調達

天草陶磁器(熊本県)

天草陶石

 

薩摩焼(鹿児島県)

成川白土、笠沙陶石、伊作田粘土、飯森粘土、鞍掛砂

原土によっては国立公園内などで採掘に制約あり

壺屋焼(沖縄県)

(荒焼)島尻粘土/(上焼)喜瀬粘土、古我知粘土、石川粘土、前兼久粘土、山田粘土、喜名粘土

 

(注1) ○:充分な供給量がある  △:供給量が減少している -:不明(回答なし)
(出所)原材料・生産用具のデータベース(伝統的工芸品産業振興協会)及び平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」をもとに作成

 

(3)陶土の調達における問題点

・組合へのアンケート調査によれば、調達上の問題として、「取引相手の減少」、「原材料の品質低下」、「原材料の価格上昇」、「採掘権者の収益悪化による採掘者の後継者不足」等が挙がっている。

 

図表3-4 陶土の調達における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

4

50.0

調達している原材料の品質が低下

4

50.0

その他

3

37.5

サンプル数(%ベース)

8

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)陶土に関する情報収集について

・陶土の情報に関しては、回答した組合の全てが「情報は入手できている」と回答している。

・情報の主たる入手先は「地元取引業者」で、今後入手したい主な情報は、「国内原料に関する情報」、「原材料の開発情報」、「産地外の供給業者に関する情報」としている。

 

図表3-5 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

8

88.9

他地域の取引業者

4

44.4

地域の試験・研究機関

3

33.3

同業他社

2

22.2

特に情報を入手していない

0

0.0

その他

0

0.0

サンプル数(%ベース)

9

 


図表3-6 今後入手したい情報について

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内原材料に関する情報

17

58.6

海外原材料に関する情報

4

13.8

原材料に輸入商社に関する情報

1

3.4

産地外の供給業者に関する情報

8

27.6

原材料の開発に関する情報

14

48.3

その他

5

17.2

サンプル数(%ベース)

29

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」(図表3-5~3-6)

 

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3-2.竹

 

(1)伝統的工芸品産地における調達状況

・伝統的工芸品分野で求められる竹の特性は製品分野により異なるが、一般に34年生で傷がない、弾力性に富みしなり・ねばりあることなどが求められる

・竹工品では、調達不足の状況にはまだなっていないものの調達量の減少を指摘する産地が多い。

 

図表3-7 竹材の調達状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

充分な供給量がある

5

27.8

供給量が減少している

8

44.4

その他

5

27.8

サンプル数(%ベース)

18

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

・竹を使用する工芸品分野は幅広いため、使用する竹が多様であり、分野により供給状況が異なる。

・竹工品では、和竿を除き、地元の竹を調達・利用しており、地元では得られない竹や不足する竹を国内の他地域から調達している。

・一方、文具(筆)や扇子・うちわのように、竹工品ではない分野においては、コストの安い中国産竹を調達し利用している。竹の調達に関し海外へ依存している。また、竹材は製品を構成する素材の一つであることから、分業化も行われている。例えば、京扇子の場合、扇骨の90%は、日本一の扇骨産地である滋賀県安曇川から調達を行っている。また、筆の場合には、筆軸は専門業者から調達を行っている。

 

図表3-8 産地別にみた竹材の調達状況

業種

伝統的工芸品産地

竹の調達先

地元

他地域

海外

竹工品

江戸和竿

 

全国

 

奈良県高山茶筌

近畿、四国、中国、中部地方一帯

 

都城弓

他県

 

大阪金剛簾

京都

 

別府竹製品

高知、和歌山

 

勝山竹細工

 

 

文具

豊橋筆

 

岡山県

中国

熊野筆

 

岡山県

中国、台湾、韓国

奈良毛筆

 

岡山、広島

中国

川尻毛筆

 

兵庫県

中国

木工品

兵庫県杞柳細工

 

 

秋田杉桶樽

宮城、新潟

 

その他

京都扇子うちわ

 

島根県

中国

房州うちわ

 

中国

香川県うちわ

 

中国

八女提灯

 

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)産地の調達における取引関係

・竹工品業者の調達の実態としては、製竹業者・卸売業者を通した調達だけでなく、生産者からの直接購入も多く行われている。

 

図表3-9 竹材の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元生産者と取引して竹を調達

7

41.2

組合員が地元製竹業者・卸売業者と取引して竹を調達

7

41.2

組合員が他地域の生産者と取引して竹を調達

6

35.3

組合員が他地域の製竹業者・卸売業者と取引して竹を調達

5

29.4

組合が地元製竹業者・卸売業者と取引して竹を調達

1

5.9

組合が他地域の製竹業者・卸売業者と取引して竹を調達

1

5.9

その他

5

29.4

サンプル数(%ベース)

17

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)産地の調達における問題点

・組合へのアンケート調査によれば、多くの組合が調達において問題を抱えている。「品質の低下」、「取引相手の減少による調達上の支障」を挙げる組合が多 い。その他、「必要なサイズ(太さ)の竹の確保が困難(筆軸)」、「山元の高齢化により、切り手が不足し竹林が荒れている」などが挙がっている。

 

図表3-10 産地の調達における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

7

50.0

調達している原材料(竹)の品質が低下

10

71.4

他地域の業者や外国の業者との取引における取引慣行の違い

1

7.1

取引相手先の情報提供力が不足

2

14.3

その他

3

21.4

サンプル数(%ベース)

14

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)竹に関する情報収集について

・情報収集を行っていない組合が6割以上を占める。

・情報の入手先は、「地元又は他地域の取引業者」、「研究機関」、「同業者」等様々である。

・今後入手したい情報で最も多いのは「国内原材料に関する情報」である。

 

図表3-11 竹の情報の収集状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

収集している

6

33.3

特に収集していない

12

66.7

サンプル数(%ベース)

18

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-12 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

3

50.0

他地域の取引業者

3

50.0

地域の試験・研究機関

3

50.0

同業他社

4

66.7

サンプル数(%ベース)

6

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-13 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内原材料に関する情報

12

92.3

海外原材料に関する情報

5

38.5

原材料に輸入商社に関する情報

1

7.7

産地外の供給業者に関する情報

2

15.4

原材料の開発に関する情報

3

23.1

その他

1

7.7

サンプル数(%ベース)

13

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

 

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3-3.麻糸(苧麻糸)

 

(1)麻糸(苧麻糸)の調達状況

・苧麻の手績み糸は、小千谷縮、宮古上布、八重山上布等の産地が調達を行っている。また、紡績糸(ラミー)に関しては、小千谷縮、近江上布、八重山上布等の産地が調達している。

・小千谷縮では、重要無形文化財としての原料は、福島県昭和村から調達している(使用原材料全体の1割程度)。越後上布・小千谷縮布技術保存会が、6000匁の原麻を昭和村から調達し、手績み糸としている。手績み糸の取引価格は1kg20万円である。

・手績み糸では、紡ぐ人の高齢化により、宮古上布、八重山上布等の産地では細い糸の入手量が減少している。

 

(2)苧麻糸の調達における取引関係

・沖縄の麻織物産地では、糸の原料となる苧麻の栽培から糸積みまでを島で一貫して行っている。織屋は、生産者から直接あるいは組合を通して手績み糸の調達を行っている。

・一方、小千谷縮の場合、越後上布・小千谷縮布技術保存会を通して原麻を織屋に供給し、手績み糸を作っている。また、紡績糸に関しては、フィリピン等からラミーを輸入し、日本の紡績会社で紡績糸とし調達を行っている。

 

(3)調達における問題点

・手績み糸では、手績の担い手の高齢化により、縦糸に使用する細い手績み糸をつくる人材が不足している。

・紡績糸では、フィリピンやマレーシアの麻の単価が高くなっており、安い中国産の割合を増やさざるを得ない状況にある。中国産の麻糸では、切れやすいなど品質が課題となっている。

 

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3-4.漆

 

(1)調達している漆の種類

・ほとんどの漆加工製品産地では、海外産漆と国内産漆とを併用している。一部の仏壇、家具の産地において、国産漆のみを使用している。

 

図表3-14 調達している漆

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元産の漆

8

18.6

国内他地域産の漆

32

74.4

海外産の漆

39

90.7

サンプル数(%ベース)

43

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)漆の品質への要求

・漆の「品質」の基準は明確でないが、透明度、接着力、堅牢度等に優れているといわれている。質の良い漆の目安として、主成分のウルシオールが多いこと、水分が少ないことがある。一般に、国産漆は、中国産漆よりもウルシオールの含有量が多いとされている。また、漆の品質は、それを使用する職人の好みと密接に関連している。

・多くの産地では、国産漆は品質に優れるとしているが、供給面と価格で問題があるため、中国産漆にブレンドする、用途により国産漆を使い分ける等の対応を行っている。


図表3-15 国産漆と中国産漆の使用状況

・中国産と国産漆の特性、品質は格段の相違がある。

・国内産漆の品質の方が良い

・近年の中国産漆はとてもよい。

・国内産は,品質が良いが価格が高く高級品にしか使えない。海外産も、それなりに国産品とブレンドし使用すればOK。

・国産漆は、品質は良いが価格面と供給面で問題があるため必要な部分のみに使用。それ以外は、中国産漆を使用することが多い。

・中国産の漆でも、375g(100匁)で15000~20000円の日本産入漆を使用(中国産漆だけでは少し心配なので)

・国産産の漆は、量が少なく、少量ずつ仕入れるので、均一とは言い難い。中国産の漆は、それなりの値段を出せば量も多く、均一であり、使いやすい。安物はだめである。

・用途に応じて国内産を指定購入


(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

(3)産地における調達状況

・地元の漆をしていることから供給量の減少が問題となっている産地もあるが(松本家具)、他の産地においては供給量に関する問題は生じていない。

・在庫を利用している産地もある。

 

図表3-16 漆の供給状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

充分な供給量がある

35

92.1

供給量が減少している

1

2.6

その他

2

5.3

サンプル数(%ベース)

38

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)産地の調達における取引関係

・多くの産地では、様々な取引関係によって漆を調達している。取引関係で最も多いのは、組合員が他地域の漆精製業者から購入しているケースである。組合が精製業者や販売業者から共同購入するケースもある。

・特殊な例として「漆塗装は塗師屋に依頼(江戸和竿)」、「松本では乾燥が激しく漆の塗装に適さないため、古来より長野県木曽の漆屋にて塗装(松本家具)」といったケースもある。

 

図表3-17 漆の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元漆精製業者と取引して漆を調達

8

18.6

組合員が地元漆販売業者と取引して漆を調達

13

30.2

組合員が他地域の漆精製業者と取引して漆を調達

31

72.1

組合員が他地域の漆販売業者と取引して漆を調達

22

51.2

組合が地元漆精製業者と取引して調達

1

2.3

組合が他地域の漆精製業者と取引して調達

3

7.0

組合が他地域の漆販売業者と取引して漆を調達

8

18.6

その他

3

7.0

サンプル数(%ベース)

43

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(5)産地の取引における問題点

・取引において問題ありとする産地は少ないが、一部の産地において、「品質の低下」、「コストの上昇」等を問題にしている

 

図表3-18 業者との取引における問題

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃棄等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

1

16.7

調達している原材料(漆)の品質が低下

3

50.0

その他(コストの上昇等)

2

33.3

サンプル数(%ベース)

6

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(6)漆に関する情報収集について

・漆に関する情報を収集に関しては、「他地域の取引業者」から入手しているケースが最も多く、「試験・研究機関」、「同業他社」等からも情報入手を行っている。その他の入手先として、「中国の漆業者」、「組合専属の漆屋」、「伝産協会他産地」等が挙がっている。

 

図表3-19 情報の収集状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

収集している

14

34.1

特に収集していない

27

65.9

サンプル数(%ベース)

41

 


図表3-20 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

4

28.6

他地域の取引業者

9

64.3

地域の試験・研究機関

7

50.0

同業他社

4

28.6

その他

3

21.4

サンプル数(%ベース)

14

 


図表3-21 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内原材料に関する情報

22

64.7

海外原材料に関する情報

18

52.9

原材料に輸入商社に関する情報

3

8.8

産地外の供給業者に関する情報

7

20.6

原材料の開発に関する情報

15

44.1

その他

2

5.9

サンプル数(%ベース)

34

 

 

(7)産地における取り組み

・木曽漆器工業協同組合は、平成19年に漆の苗木300本を奈良井川河川敷に植樹した。国産漆の確保などを目的とした初の試みである。苗木は岩手県産で、市が木曽森林組合から購入した。

・山中漆器では、漆の森づくりに取り組んでいる。場所は、大聖寺川左岸の斜面約千平方メートルで、以前は棚田が広がっていた地域で、加賀市ではこの土地を借り受け、市内の自生種を始め、全国約20種類、百本の漆を植樹、3年かけて適合種を決める。

 

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3-5.和紙原料(楮、三椏、雁皮)

 

(1)調達している和紙原料

・全ての産地が、海外産の原料を使用している。ほとんどの産地は海外産原料と地元原料や他地域の原料とを併せて利用している。原料の全てを他地域と外国から調達している産地もある(越前和紙)。

・全国の手すき和紙生産者(301軒)を対象に実施したアンケート調査によれば、全国的にみると、国産楮(黒皮・白皮)、自家栽培楮など、国産の楮を使用している手すき和紙生産者が多い。

 

図表3-22 使用している和紙原料の生産地

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元産の和紙原料

6

100.0

国内他地域産の和紙原料

5

66.7

海外産の和紙原料

7

100.0

サンプル数(%ベース)

7

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-23 使用している原料
使用している原料 

(出所)全国手すき和紙連合会「活路開拓・調査研究ビジョン報告書」

 

(2)和紙原料の調達状況

・国産の和紙原料の生産量は減少していることから、回答産地の半数近くが、「供給量が減少している」と回答している。

 

図表3-24 和紙原料の供給状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

充分な供給量がある

3

50.0

供給量が減少している

3

33.3

その他(外国産は充足、国産は不足)

1

16.7

サンプル数(%ベース)

7

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)産地の調達における取引関係

・地元調達の産地が最も多いが、ほとんどの産地では複数の取引が行われている。自社栽培によって調達したり、県外の商社から一括購入したりしている産地もある。

 

図表3-25 和紙原料の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元生産者と取引して和紙原料を調達

4

66.7

組合員が地元原料屋と取引して和紙原料を調達

2

33.3

組合員が他地域の生産者と取引して和紙原料を調達

3

50.0

組合員が他地域の原料屋と取引して和紙原料を調達

3

50.0

組合が地元生産者と取引して和紙原料を調達

3

50.0

組合が地元原料屋と取引して和紙原料を調達

0

0.0

組合が和紙原料の生産事業を行っている

1

16.7

その他

2

16.7

サンプル数(%ベース)

7

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)産地の取引における問題点

・「業者との取引において問題があり」と回答した組合が3組合あったが、どの産地も「品質の低下」を問題としている。


図表3-26 業者との取引における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃棄等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

1

33.3

調達している原材料(和紙原料)の品質が低下

3

100.0

サンプル数(%ベース)

3

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(5)和紙原料に関する情報収集について

・回答した組合の全てが和紙原料に関する情報収集を行っており、「必要な情報は入手できている」としている。

・情報の入手先は、他地域や地元の取引業者や同業他社である。

・多くの産地が今後入手したい情報は、国内や海外の原材料に関する情報である。

 

図表3-27 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

3

42.9

他地域の取引業者

5

71.4

同業他社

3

42.9

サンプル数(%ベース)

7

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-28 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内原材料に関する情報

5

71.4

海外原材料に関する情報

4

57.1

原材料に輸入商社に関する情報

1

8.2

産地外の供給業者に関する情報

2

28.6

原材料の開発に関する情報

2

28.6

サンプル数(%ベース)

6

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

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3-6.織機

 

(1)産地における調達状況

・伝統的工芸品で使用している織機は手織機が中心であるが、機械織機を併用している産地も多い。

・織機の供給に関しては、一部の産地で供給が問題となっているが、他の産地ではほぼ供給されている状況にある。

 

図表3-29 織物産地における手織機と機械織機の使用台数

産地

手織機

機械織機

置賜紬

70台位

20台位

結城紬(茨城)

150

 

結城紬(栃木)

500

 

伊勢崎絣

1500

800

本場黄八丈

70

-

多摩織

10

100

塩沢紬

63

119

十日町絣

約30

約300

信州紬

130

50

牛首紬

45

-

滋賀県近江上布

35

250

西陣織

1500台

3000台

弓浜絣

高機30、足踏機20

 

阿波正藍しじら織

0

181

博多織

41台

-

久留米絣

50台弱

150台弱

喜如嘉芭蕉布

45

 

宮古上布

100台

-

琉球絣

約200台

-

読谷山花織

200

-

注)機械織機は伝統的工芸品の製造に関わらないものも含まれる
(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-30 織機の供給状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

供給されている

21

91.3

一部の織機の供給が困難となっている(西陣織)

1

4.3

その他

1

4.3

サンプル数(%ベース)

23

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)今後の調達について

・手織機は、リサイクル品の確保、新規購入により、機の調達を行う方向にある。

・機械織機に関しては、新規購入ニーズはほとんどなく、現在使用中の織機を継続的に使用する方向にある。

 

図表3-31 今後の織機使用について(複数回答)

カテゴリ

件数

構成比(%)

新たな手織り機を確保し、手織り機を継続的に使用する

9

40.9

手織り機のリサイクル品を確保し、手織り機を継続的に使用する

13

59.1

機械織機を継続的な使用する

11

50.0

現在よりも高度な機械織機の導入を進める

1

4.5

その他

2

9.1

サンプル数(%ベース)

23

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)産地の調達における取引関係

・組合へのアンケート調査によれば、ほとんどの産地では、織屋が地元や他地域の織機メーカーから調達している。組合を通して織機を調達している産地もあるが少ない。その他の調達方法として、休廃業となった織屋から、各家にある機を譲り受け調達している例もある。

 

図表3-32 織機の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元織機会社と取引して調達

9

40.9

組合員が他地域の織機会社と取引して調達

12

54.5

組合が他地域の織機会社と取引して調達

2

9.1

その他

4

18.2

サンプル数(%ベース)

22

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)織機の取引における問題点

・織機の取引において問題があると回答した組合は少ない。問題の具体的な内容としては、「取引相手の減少により調達上の支障」、調達している用具の品質が低下」、「機械織機部品の調達が困難」等が挙げられている。

 

図表3-33 取引における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

3

100.0

調達している用具の品質が低下

1

33.3

その他(機械織機部品の調達が困難)

1

33.3

サンプル数(%ベース)

3

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(5)織機に関する情報収集

・織機の分野では、情報収集は各機屋に任せている産地がほとんどであり、情報収集を行っている組合は10%以下である。

・組合として、今後入手したい情報としては、ほとんどの産地が「国内の織機情報」としており、次いで多いのが「産地外の供給業者情報」である。

 

図表3-34 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内の用具(織機)に関する情報

16

88.9

海外の用具(織機)に関する情報

1

5.6

産地外の供給業者に関する情報

7

38.9

用具(織機)の開発に関する情報

5

27.8

その他

2

11.1

サンプル数

18

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

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3-7.筬(竹筬)

 

(1)産地における調達状況

・竹筬の生産が不可能となったことから、ほとんどの産地では新規調達を行っておらず、在庫、リサイクル品の利用によって調達を行っている。その他、機料店を通して在庫品や中古品の調達も行われている。

・「竹筬の入手先がないため、古い筬の修理を依頼して使用し、足りない分は金筬を使用」という産地もある。

・八重山ミンサーでは、金筬は糸を通す時に光ってしまって通しにくいこともあり、竹筬が望ましいという。現在は中国から輸入された竹筬を使用しているが、価格が高騰している。

・八重山上布も、金筬は重くなるので、竹筬になれている織り子にはやりにくくなっている。やむを得ず金筬での対応はしているが、竹筬が望ましいという。

 

図表3-35 竹筬の使用・ストック・調達状況

組合名

竹筬の年間使用数

竹筬のストック数

竹筬の調達数(年平均)

読谷山花織

30

60

0

信州紬

30

50

0

喜如嘉芭蕉布

20

20

0

久米島紬

約250

約150

約150

本場黄八丈

100

0

0

塩沢紬

50

800

0

久留米絣

200

0

従来は20(現在は金筬)

置賜紬

20位

100位

0

宮古上布

100~200

30~50

-

琉球絣

30%

-

-

西陣織

1500本

極めて無いに近い

調達不可の状態

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

・竹筬の調達上の問題から、今後の筬の使用に関しては、竹筬のみにこだわっている産地は少なく、金筬と使い分ける、金筬に切り替えるなどによって、金筬使用のウェイトを高める方向にある。

 

図表3-36 今後の竹筬の使用について

カテゴリ

件数

構成比(%)

新たな竹筬を確保し、竹筬を継続的に使用する

2

12.5

竹筬のリサイクル品を確保し、竹筬を継続的に使用する

0

0.0

竹筬と金筬を使い分けていく

9

56.3

全ての筬を金筬に切り替えていく

3

18.8

その他

2

12.5

サンプル数(%ベース)

16

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)取引における問題点

・竹筬の生産停止により、多くの産地では「調達上の支障」が生じている。その他、「竹筬の品質の低下」、「竹筬の情報が得られない」、「機料品屋の高齢化による廃業懸念」、「取引相手先の情報提供力が不足」等の問題が挙げられている。

 

図表3-37 竹筬の取引における問題

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

8

72.7

調達している用具の品質が低下

2

18.2

取引相手先の情報提供力が不足

1

9.1

その他(竹筬の製造・販売先が不明、機料品屋の高齢化による廃業懸念)

4

36.4

サンプル数(%ベース)

11

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)竹筬に関する情報収集

・竹筬に関する情報の収集を行っている組合は4割以下(7組合)であるが、ほとんどの組合が「必要な情報を入手できていない」と回答している。

・今後入手したい情報としては、ほとんどの組合が「国内の筬に関する情報」としている。

 

図表3-38 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

2

28.6

他地域の取引業者

1

14.3

地域の試験・研究機関

3

42.9

同業他社

2

28.6

その他

3

42.9

サンプル数(%ベース)

7

100.0

 

図表3-39 必要な情報を入手できているか

カテゴリ

件数

構成比(%)

必要な情報を入手できている

1

16.7

必要な情報を入手出来ていない

5

83.3

サンプル数(%ベース)

6

 

 

図表3-40 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内の用具(筬)に関する情報

14

87.5

海外の用具(筬)に関する情報

3

18.8

用具(筬)の輸入商社に関する情報

2

12.5

産地外の供給業者に関する情報

4

25.0

用具(筬)の開発に関する情報

6

37.5

その他

1

6.3

サンプル数(%ベース)

16

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

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3-8.筆(蒔絵筆)

 

(1)蒔絵筆の調達の状況

・ネズミの毛を使用した根朱筆の製作が困難となっている、筆の品質が低下している等の供給側の問題が、産地における蒔絵筆調達へ影響を与えている。

 

図表3-41 蒔絵筆の調達状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

製品に必要な一部の蒔絵筆の供給が困難となっている

6

35.3

供給されている

11

64.7

サンプル数(%ベース)

17

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)産地の調達における取引関係

・蒔絵筆は、主に蒔絵師が漆工材料を扱っている地元・他地域の漆屋、金粉・金箔業者等を通して購入している。筆製作者から直接購入するケースも多い。また、組合が業者から一括して購入している産地もある。

 

図表3-42 蒔絵筆の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元蒔絵筆製作業者と取引して調達

5

29.4

組合員が地元漆工用具販売業者と取引して調達

8

47.1

組合員が他地域の蒔絵筆製作業者と取引して調達

6

35.3

組合員が他地域の漆工用具販売業者と取引して調達

10

58.8

組合が地元漆工用具販売業者と取引して調達

0

0.0

組合が他地域の蒔絵筆制作業者と取引して調達

1

5.9

組合が他地域の漆工用具販売業者と取引して調達

3

17.6

その他

1

5.9

サンプル数(%ベース)

16

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)調達における問題点

・一部の産地では、調達上の支障と品質低下が問題となっている。組合へのアンケート調査によれば、具体的な内容として、「良質のものが少なくなっている」、「高品質な筆が手に入らない」、「クマネズミ(黒毛)の筆の入手難」、等の問題が挙がっている。

 

図表3-43 蒔絵筆の調達における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

3

75.0

調達している用具(筆)の品質が低下

4

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)蒔絵筆に関する情報収集

・蒔絵筆の情報を収集している組合は3割程度であり、全ての組合は「必要な情報は得ている」と回答している。

・蒔絵筆に関する情報の入手先としては、取引業者や同業他社から得ている。

・今後入手したい情報に関しては、ほとんどの組合が「国内の蒔絵筆に関する情報」と回答しているが、「蒔絵筆の供給業者」や「蒔絵筆の開発」に関する情報を望む組合も多い。

 

図表3-44 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

3

60.0

他地域の取引業者

3

60.0

同業他社

2

40.0

サンプル数(%ベース)

5

 


図表3-45 今後収集したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内の用具(筆)に関する情報

12

85.7

海外の用具(筆)に関する情報

4

28.6

用具(筆)の輸入商社に関する情報

1

7.1

産地外の供給業者に関する情報

6

42.9

用具(筆)の開発に関する情報

7

50.0

その他

1

7.1

サンプル数(%ベース)

14

 

 

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3-9.刷毛(漆刷毛)

 

(1)産地における調達状況

・一部の産地において調達上の問題が生じているが、ほとんどの産地では必要な漆刷毛は調達できている状況といえる。

 

図表3-46 漆刷毛の調達状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

製品に必要な一部の刷毛の供給が困難となっている

2

5.4

供給されている

34

91.9

その他(刷毛にあわせた塗りしかできない)

1

2.7

サンプル数(%ベース)

37

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(2)産地の調達における取引関係

・伝統的工芸品産地における刷毛の調達は、塗り師が地元あるいは他地域の販売業者(問屋)から購入するケースが多く、製作者から直接購入するケースは少ない。また、組合を通して購入するケースも少ない。

 

図表3-47 漆刷毛の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元刷毛製作業者と取引して調達

3

8.1

組合員が地元漆工用具販売業者と取引して調達

12

32.4

組合員が他地域の刷毛製作業者と取引して調達

8

21.6

組合員が他地域の漆工用具販売業者と取引して調達

24

64.9

組合が地元漆工用具販売業者と取引して調達

2

5.4

組合が他地域の漆工用具販売業者と取引して調達

4

10.8

その他

3

8.1

サンプル数(%ベース)

37

37

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(3)調達における問題点

・組合へのアンケート調査によれば、一部の産地で「高岡産地独特のハケ目用刷毛がない、満足できる刷毛は非常に高額、良質の刷毛が少ない、割安な漆刷毛は当たり外れがあり刷毛をつきだしてみるまではわからない」といった調達上、品質上の支障が挙がっている。

・また、関係業者、組合へのヒアリング調査によれば、「最近の筆は毛がやわらかくなっている」といった問題点も指摘されている。

 

図表3-48 漆刷毛の調達における問題点

カテゴリ

件数

構成比(%)

廃業等による取引相手の減少により調達上の支障が生じている

4

66.7

調達している用具(刷毛)の品質が低下

4

66.7

用具(刷毛)の輸入における契約上のトラブルがある

0

0.0

他地域の業者や外国の業者との取引における取引慣行の違い

0

0.0

取引相手先の情報提供力が不足

0

0.0

その他

1

16.7

サンプル数(%ベース)

6

6

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

(4)刷毛に関する情報収集

・刷毛に関する情報を収集している組合は、2割以下と少ないが、情報収集している組合の全てが「必要な情報は入手できている」と回答している。

・情報の入手先としては、「他地域の取引業者」が最も多い。

・今後入手したい情報に関しては、ほとんどの組合が「国内の刷毛に関する情報」と回答しているが、「刷毛の供給業者」や「刷毛の開発」に関する情報を望む組合も多い。

 

図表3-49 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

1

16.7

他地域の取引業者

4

66.7

同業他社

1

16.7

その他(泉氏の刷毛だより)

2

33.3

サンプル数(%ベース)

6

 


図表3-50 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内の用具(刷毛)に関する情報

27

81.8

海外の用具(刷毛)に関する情報

8

24.2

用具(刷毛)の輸入商社に関する情報

2

6.1

産地外の供給業者に関する情報

7

21.2

用具(刷毛)の開発に関する情報

9

27.3

その他

2

6.1

サンプル数(%ベース)

33

 

 

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3-10.簀(す)

 

(1)産地における調達状況

・一部の産地が簀の供給量の減少を問題視しているが、大部分の産地が充分な供給量があると回答している。地域的にみれば、製作者の高齢化、廃業等により従来の取引先から調達できなくなった等の問題が生じている。

 

図表3-51 簀の供給状況

カテゴリ

件数

構成比(%)

十分な供給量がある

5

83.3

供給量が減少している

1

16.7

サンプル数(%ベース)

6

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

・全国の手すき和紙生産者(301軒)を対象に実施したアンケート調査によれば、約43%の生産者が用具の調達について心配している。

 

図表3-52 用具の心配

用具の心配

(出所)全国手すき和紙連合会「活路開拓・調査研究ビジョン報告書」

 

(2)調達における取引関係

・紙漉き業者が地元や他地域の簀製作者から直接購入するケースが多いが、組合が窓口となって購入するケースもある。

 

図表3-53 簀の調達における取引関係

カテゴリ

件数

構成比(%)

組合員が地元簀製作業者と取引して調達

3

50.0

組合員が他地域の簀製作業者と取引して調達

4

66.7

組合が地元簀製作業者と取引して調達

2

33.3

組合が他地域の簀製作業者と取引して調達

1

16.7

サンプル数(%ベース)

6

100.0

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」


(3)調達における問題点

・一部の産地において、「廃業等による取引相手の減少により調達上の支障」、「調達している簀の品質低下」が生じている。

 

(4)簀に関する情報収集

・ほとんどの組合が和紙に関する情報収集しており、「必要な情報は入手出来ている状況」にある。

・情報の入手先は、「取引業者や同業他社」である

・今後入手したい情報は、「内外の簀に関する情報」、「産地外の供給業者に関する情報」等である

 

図表3-54 情報の入手先

カテゴリ

件数

構成比(%)

地元取引業者

1

25.0

他地域の取引業者

3

75.0

同業他社

2

50.0

サンプル数(%ベース)

4

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

図表3-55 今後入手したい情報

カテゴリ

件数

構成比(%)

国内の用具(簀)に関する情報

1

33.3

海外の用具(簀)に関する情報

1

33.3

産地外の供給業者に関する情報

1

33.3

その他

1

33.3

サンプル数(%ベース)

3

 

(出所)平成19年度「伝統的工芸品の生産基盤の取引・流通と情報収集に関するアンケート調査」

 

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