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2-10.簀(す)

 

(1)生産・供給の状況

 

<生産・供給に関わる業種、人材、原材料の状況>

・全国手漉和紙用具製作技術保存会によれば、現在、簀を製作している人は、静岡、岐阜、福井、鳥取、愛媛、高知等の地域に合計10数名おり、人材的には需要に十分対応可能な生産・供給体制がある。

・人材的には、簀よりも桁の製作者が少ない。桁を製作できる人は、岐阜、福井、高知等に合計4名程度いるといわれているが、中には高齢者もおり、実質的に生産・供給可能な人材はもっと少ない状況となっている。桁の製作には、木を使い慣れた大工でも何年間もの修行が必要な技術が求められるため、後継者確保が難しい。

・簀桁の製作には、竹ひご、編糸(生糸に代わってナイロンも使用されている)、絹紗織り、金具などの基本素材の職人も必要である。簀桁はこれらの職人の協力を得て製作される。

 

<生産・供給の状況>

・和紙需要の減少と共に紙漉き業者も減少し、簀桁の需要が減少している。そのため、簀桁の生産・供給能力は昔と比較して大幅に減少しているものの、全国的に見れば現在の需要に充分に対応できる状況にある。

 

(2)生産・供給システム

・簀桁は、竹ひご、絹糸、金具等の専門業者から材料・部品の供給を受け、簀桁製作者が組立て生産を行う。簀桁の両方を製作する業者、簀のみを製作する業者、桁のみを製作する業者等に分かれる。

・簀桁の製作を一つの地域で完結できる地域はほとんどなく、多くは他地域から材料や部品の供給を受けて製作を行っている。

・製作した簀桁は、製作者との直接取引または組合との取引を通して紙漉き屋に供給される。

 

図表2-31 簀桁の生産・供給における取引関係

簀桁の生産・供給における取引関係 

 

(3)生産・供給における問題点

・和紙製造者の数は、現在も減少しつづけており、これが用具製作者の生計に大きな影響を与え、用具製作者の廃業、後継者難などの問題を起こしている。この減少に歯止めをかけないと、現在の用具製作者が廃業に追い込まれる可能性がある。

・現在、簀桁の製作している人の中には高齢者も含まれ、高齢のため思うように仕事が出来なくなっている方もいる。高齢による廃業等によって、地域レベルでは今後生産・供給が出来なくなる和紙産地が出てくる可能性がある。

 

(4)生産・供給に対する供給側の対応

・簀桁の製作者は、高齢化、後継者確保難等により減少したが、全国手漉和紙用具製作技術保存会(高知県)による活動などにより、簀桁技術の保存、供給体制の強化が進められている。

 

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